0番目から数える人たち〈0オリジン編〉【ITの正体見たり#0】

横一列に果物が並べられている。左から順に、スイカ、レモン、リンゴ、ブドウ。

記念すべきシリーズ第0回にふさわしい内容ですね。

このシリーズでは、実は身近な話題に関連している IT(情報技術)を解説していきたいと思います。

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0オリジンとは

小学生に戻って考えてみましょう。私たちがそこで初めて習った数は何でしたか?きっと 1(いち)であったはずです。2, 3, 4, …と順に習っていって、初めて 0(れい / ゼロ)が登場したのは 10(じゅう)のとき。それもそのはず、ここにリンゴが1つあると言われて想像するのは容易いですが、「0個のリンゴ」は小学生一年生には難しい概念ですもの。ましてや、大人でさえも混乱してしまうかもしれません。

しかし、コンピューターを相手に仕事をするエンジニアは、0 から数を数え始めるといった考え方をよく使います。そのほうが都合がいいからです。例えば、以下の図でリンゴのある位置を「左から3番目」ではなく、「左から2番目」と言い表すことがあるのです。

横一列に果物が並べられている。左から順に、スイカ、レモン、リンゴ、ブドウ。

これを、日本ではよく「0オリジン」と呼んでいます。(英語では「zero-based」の方が一般的。)

また、西暦のように1から始まる数え方を「1オリジン」といいます。

では、この表し方にはどんなメリットがあるのでしょうか。

0オリジンのメリット

0オリジンの良い所は、何といっても計算の都合が良いことです。

たとえ話をしましょう。10階建てのマンションがあるとします。日本語は1オリジンを採用しているので、地上階のことを「一階」と呼びますが、イギリス英語では地上階「グランド・フロア(ground floor)」と呼び、その上の階を一階(first floor)とします。

マンションの絵。日本式とイギリス式それぞれで番号が振られている。

ここで、あなたは日本語で言うところの5階に用事があります。上らなくてはいけない階段は何階分ですか?と訊かれたら、5 - 1 = 4階分とわざわざ1を引かなくてはいけません。これはナンセンス。

その点、初めからイギリス英語で表していれば、用事がある階はイギリス英語で4階(fourth floor)なので、そのまま4階分と答えられるわけです。

ほかの理由としては、100個分の通し番号を振るとき、1~100 よりも 0~99 のほうがケタ数がそろってちょうどいいというのがあります。

理由はこれだけではありませんが、このように数学的には0オリジンの方が都合がよい場面があるのをご理解いただけたと思います。

このシリーズについて

こんな感じのテンションで、ITに関する小話をいくらか書き連ねていく予定です。今回は初投稿ということで、簡素に済ませましたが、次回からはもっとボリュームを持たしていく予定です。もし、ご意見・ご感想などありましたら、お気軽にページ下部のコメント欄やお問い合わせフォームからご連絡くださいませ。

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